閑静な住宅街の一角でのんびりとした休日を過ごす葊末さんは、4歳と2歳のご兄妹がいる4人家族。「以前住んでいたのはアパートだったので、隣や下の階の方のご迷惑にならないようにとか、片付けがなかなか進まないなどで子ども達を叱る場面が多かったんです。でも、本来目指していたのは、子ども達がのびのびと成長できる育児。それが実現できる家を建てたいと思いました。」。ご夫妻の決意は想像を超えるもので、住宅の専門書やインターネットを読み尽くし、自分たちに必要な住環境をとことん研究。それらをまとめた、辞書のように分厚い資料を持って和建設へいらっしゃいました。
ご要望や制約があればあるほど、設計のアイデアは湧きだすものです。今回のテーマである〝のびのびした子育て〟を実現するには、片付かない・落ち着かない日々のストレスから、特に“お母さん”を解放することが重要でした。必要とされている部屋数も多かったですが、あえて減らさず無駄なスペース(廊下など)をなくして、全てが“意味のある空間”になるよう設計。 何気なく動いているだけなのに、自然と物が片付いていく仕掛けを考え出しました。
とくにご夫妻がこだわったのは家事動線。ただ動線を作るのではなく、動きやすい範囲内にミニマムに動線をまとめることで家事にかかる労力も時間もミニマムになりました。「すごく家事がしやすい家です。とくに玄関とキッチンをつなぐ位置にあるパントリーは、帰ってきてからの自然な流れで荷物が片付けられるので、あって良かったと思います」。家事が楽になって余裕が生まれたことで、目指していた”のびのび育児”もできるようになったそう。楽しくて穏やかな時間が流れる葊末さんのお家です。